週刊少年ジャンプで連載中の大人気マンガ『ONE PIECE』。それを題材にしたオープンワールドゲーム『ONE PIECE WORLD SEEKER(ワンピース ワールドシーカー)』が2019年3月14日に発売されました。
最近はめっきり原作も読まなくなってしまいましたが、世代ということもあり、『ONE PIECE』にはかなりの影響を受けて育ってきました。
『ONE PIECE』の世界を舞台にしたオープンワールドゲームはこれまでなかったので、発表を最初に聞いたときには思わずテンションアップ。
かなりの期待を寄せて発売を待っていたのですが、蓋を開けてみるとこれが残念極まりない出来でした…。
今回は、PS4ソフト『ワンピース ワールドシーカー』をプレイした感想についてお伝えいたします。
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『ワンピース ワールドシーカー』ってどんなゲーム?
『ワンピース ワールドシーカー』は、2019年3月14日にPS4用ソフトとして発売されたアクションアドベンチャーゲーム。
"ゴムゴムの実"の能力者である主人公ルフィを操り、海軍に支配された"ジェイルアイランド"を舞台に冒険を繰り広げます。
ジェイルアイランドは街や村、ダンジョン、監獄といったさまざまなエリアがシームレスにつながったオープンワールドの世界で、ゴムゴムの実の能力を使って縦横無尽に駆け巡ることが可能です。
本作のオリジナルストーリーには、原作者の尾田栄一郎先生が書き下ろしたキャラクターも登場。
また、麦わら海賊団だけでなく、海軍本部大将スモーカーや、革命軍参謀長サボなど、原作でおなじみの人気キャラクターたちも登場します。
『ワンピース ワールドシーカー』を遊んだ感想
戦闘の単調さ、移動のダルさ、スカスカの街、操作性の悪さ…あまりにもダメな部分が目立つ
本作は戦闘、移動、街や景色の作り込み、操作性など、オープンワールドアクションゲームとして重要な要素のすべてにおいて一歩も二歩も足りていない印象があります。
詳しいことは後述しますが、遊んでいて"気持ちよさ"や"爽快感"といったものがとにかく少ない。いちいちストレスがたまる。
たとえば、アイテム取得ひとつとっても作りの悪さが目立ちます。
フィールドに宝箱が落ちていることがあり、△ボタンで調べて開けることができるのですが、これが誇張でもなんでもなく、開けるまで4秒くらいかかるんです(解錠を早めるスキルもあるのですが、そんなのをつけるくらいならはじめからサクっと開けられるようにしてくれ!という感じ)。
4秒間△ボタンを押しっぱなしじゃないと宝箱が開かず、その間はまったく行動もできません。しかもその状態で敵の攻撃を受けると解錠が中止され、また4秒間待たなきゃいけなくなる…。
これは一例ですが、『ワンピース ワールドシーカー』は一から十までこんな具合で、とにかくユーザービリティが考えられていないような作りなんです。
いくらキャラゲーとはいえ、この遊びづらさは酷すぎます。
単調すぎるバトルシステム
『ワンピース ワールドシーカー』ではアクションが苦手な人でも楽しめるよう、□ボタン連打で攻撃が繰り出せるようになっています。
しかしその反面、シンプルすぎる操作性ゆえに技のパターンが少なく、戦闘が単調になりがちという欠点が。
攻撃は□ボタンの近接攻撃か、R2ボタンの遠距離攻撃の2種類があるのですが、ボタンの組み合わせによるコンボなどもないので、とにかく□ボタンを連打するだけのバトルになりやすいです。
通常の難易度だと敵が弱すぎることもあり、ほとんどの戦闘が□ボタン連打で終わってしまいます。
そのうえ、攻撃ヒット時のエフェクトが異様に軽く、爽快感もイマイチ。
L1ボタンで発動できる「ゴムゴムの火拳銃」や「ゴムゴムの鷲暴風雨」といった必殺技は、演出も相まって若干"アガる"瞬間もありますが、本当にその部分だけしか楽しくありません…
しかも、ステルス攻撃や遠距離攻撃がかなり強いので、敵に気づかれていない状態なら一方的に封殺することもできちゃいます。気づかれずにチマチマ攻撃するなんて、全然ルフィらしくない…。
大人気少年マンガを題材にしたゲームなんだから、せめてバトルくらいは気持ちよく遊ばせてもらいたかったですね。
移動の爽快感が想像していたよりもずっと少ない
オープンワールドゲームといえば、移動の爽快感もキモです。
本作ではゴムゴムの実の能力を活かした移動アクションもあるのですが、これがまた絶妙に気持ちよくない。
R1ボタンで腕を伸ばしてあちこちに捕まって高速移動できるのですが、掴まれるところが少なく、ちょっとでも建物に接触するとその場で落ちてしまうので、『Marvel's Spider-Man』のようにビュンビュンと移動できる感じではありません。
発売前のPVなどを見る限りでは、移動アクションにはかなり期待していただけに残念です。
もちろん、潤沢な資金が投入されている『Marvel's Spider-Man』と国産のキャラゲーを比べるのは酷ですが、せめて"惜しいところ"くらいまでは行ってほしかった…。
ただ、近代的な街並みや大自然など、バラエティ豊かなエリアが『ONE PIECE』の世界で見られるのは楽しいですね。
ムービーシーン以外「ボイスなし」なのがキャラゲーとして痛い
『ワンピース ワールドシーカー』では、ムービーシーン以外の会話パートにボイスがついていません。原作モノのキャラゲーとしては、これがかなり痛い。
平場の会話になると「へぇー」とか「おう!」みたいな相槌ボイスだけが途中で挟まれるのですが、これが余計に安っぽく見えます。
本作で登場するオリジナルキャラのボイスシーンも少ないせいで、イマイチキャラの魅力が伝わりづらいのも残念です。
バトルもダメ、移動もダメなうえに、キャラゲー最後の価値であるキャラクターそのものすらマトモに描いていないのはどういうことなのでしょうか…。
恐ろしく中身のないサイドミッション
本作にはオープンワールドゲームおなじみのサイドミッションもあるのですが、「〇〇を2個持ってきて」「〇〇が足りなくて困ってる」的な、いわゆる"おつかい"ミションばかりです。
世界観を広げてくれるサブストーリー的なものはほとんどありません。全100種用意されているらしいのですが、まったくやり込む気がおきないです。
ルフィ以外のキャラクターが使用できない
『ONE PIECE』のゲームを謳っておきながら、本作はルフィ以外のキャラクターを操作することができません。
アクションが単調なうえにルフィ以外使えないので、どうしても飽きてきます。せめてゾロやサンジ、ウソップくらいは使えるようにできなかったのか…。
「麦わら海賊団全員が使える&育成できる」ようなゲームだったら、ここまで酷いことにはならなかったのではないかと思います。
スキルツリーによる成長システムは楽しい
ここまで酷評してきましたが、スキルツリーによる成長システムはけっこう楽しいです。
コテコテのアクションゲームがほとんどである『ONE PIECE』で、RPG的な成長要素があるのは新鮮ですね。
スキルツリーには「戦闘」「パラメータ」「探索」「武装色の覇気」「見聞色の覇気」の5系統があり、自分好みにカスタマイズすることが可能。
スキルを覚えると攻撃力や移動速度がアップされるだけでなく、新しいアクションも習得できるので、ゲームが進むに連れて徐々にできることが増えていきます。
スキルツリーシステムだけは、このゲームで唯一手放しで褒められるポイントかもしれません。
まとめ:全体的にはかなり期待外れのオープンワールドゲーム
『ワンピース ワールドシーカー』は期待していただけに、かなり残念な出来でした。
発売前のPVを見たときには、歴代ワンピースゲーム史上でもトップクラスの作品になると思っていたのに…。
この程度のクオリティで出すくらいなら、オープンワールドの規模をもう少し小さくしてもいいので、アクション面を強化してほしかったですね。
久しぶりにすごい勢いで"ワゴンセール行き"になりそうなゲームを遊びました。価格が暴落したら、試しに遊んでみても面白いかもしれません。
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