世界各国で起きたニュースや日本の外交問題などを見たり聞いたりすると、自分の勉強不足っぷりに落ち込むことがあります。
イスラム過激派によるテロ、イランの核開発問題、南シナ海の領有権を巡る緊張ー。
ニュースでよく聞くワードでもぼんやりとした輪郭しか分かっておらず、「そもそも、なんであの国はこんな問題を抱えているんだろう?」という根本的な部分を理解していなかったり。
「このままではマズイ!国際問題に関するニュースを理解するためには、問題の経緯を学ばねば!」と考えあれこれ本を探していたところ、ぴったりの本を見つけました。
それが池上彰氏と増田ユリヤ氏による『世界史で読み解く現代ニュース』という一冊。
今回はこちらの内容紹介と読んでみた感想についてお話いたします。
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池上彰&増田ユリヤ氏による、現代ニュースを読み解くための世界史解説の本!
僕が最近すっかりハマってしまっている池上さん。今月だけでも池上本を読むのはこれで2冊目です。
『世界史で読み解く現代ニュース』は、経済情勢や国際問題を分かりやすく解説することに定評のある池上彰さんと、27年ものあいだ高校で世界史を教えてきた増田ユリヤさんによる共著。
この本は「池上さんの分かりやすい解説で現代ニュースを読み解き、歴史の専門家である増田さんがその背景を丁寧に説明していく」という構成になっています。
二段構えで国際問題について教えてくれるので、僕のような初心者でも非常に理解しやすいです。
『世界史で読み解く現代ニュース』で取り上げる問題は中国の南シナ海問題やイスラム、パレスチナなどの中東問題、産業革命による地球温暖化の影響など。
目次は以下の通りです。
第1章:「大航海時代の栄光を再び」-中国の野望
第2章:「オスマン帝国」が中東問題のキーワード
第3章:世界の隠れ家フランスーフランス革命の衝撃
第4章:地球温暖化は産業革命から始まった
本書は200ページほどの新書ですが、アジアやヨーロッパの国際問題から地球規模の環境問題まで、取り上げている題材は幅広い。
イスラム国、ウクライナ問題、クリミア半島など、ニュースでよく耳にするものを中心に扱っているので、読むと「ああ、よく聞くあのニュースはこういうことだったのか」と理解できると思います。
日本に直接的な関係がある話も学べる!
『世界史で読み解く現代ニュース』では、日本に直接の関係がある話についても解説してくれています。
「トルコはどうして親日的なの?」「京都議定書で定めた日本の温暖化対策って?」「100年前の日本の過酷な労働環境とは?」などなど。
本書は世界史解説本ではありますが、その世界史の中で日本の歴史も複雑に絡み合っています。
すこし話がズレてしまいますが、本書のあとがきにこんなことが書いてありました。
著者の増田さんがストックホルムで学生への講義をしていたとき、こんな質問をされたそうです。
「日本では世界史と日本史をわざわざわけて教えているんですか?歴史は一つではないんですか?」
増田さんはこれに対し、どう答えていいかすこし戸惑いながらも「古い時代は日本とヨーロッパとのかかわりはほとんどないし、日本史でも他国とのかかわりは教えている」と答えたそう。これがそのときの増田さんの精一杯の答えだったようです。
この話を聞いて、学生時代の僕がイマイチ世界史に入り込めなかった理由がここにある気がしました。
同じ「歴史」を勉強しているのに、日本と他国を別々に分けておぼえる。
こういった勉強方法が、世界史への興味や理解度を削いでいるひとつの要因なのかなぁと感じます。
大人になっていろんな国際ニュースを見聞きすると、世界史の重要性が非常によくわかる。「もっと世界史を勉強しておけばよかった」と後悔することは多いです。
100年前と違って今の日本は世界との繋がりが非常に濃く、その国の文化を知るためには世界史を深く学んでおく必要あります。
世界で活躍する日本人が増えている今の時代こそ、学生たちの世界史への興味をもっと刺激してあげる教育環境が重要なのかなと。
まとめ
『世界史で読み解く現代ニュース』は無知でおバカな僕にも非常に分かりすい一冊でした。
世界史を通じて現代のニュースを理解するための一端となってくれました。
僕もまだまだ初心者なので勉強すべきことがたくさんありますが、とりあえずの世界史・現代史入門書として『世界史で読み解く現代ニュース』はおすすめできる一冊だと思います。
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