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『旅のラゴス(筒井康隆)』の内容&感想!「旅をしたい人」に読んでもらいたいSF小説

最近はブログ関連の本やビジネス書ばかり読んでいたのですが、久しぶりに小説を読了。

 

読んだのは筒井康隆氏が1986年に発表したSF小説、『旅のラゴス』。

 

 

「ラゴス」という一人の青年が一生をかけて旅を続けるという物語で、空間転移(テレポート)や読心術、壁抜けなどの超能力が次々と登場するSF小説になっています。

 

実は筒井さんの小説を読むのは初めてだった僕。筒井さんといえばちょっと変わり者の印象があったので、「まったく理解できないストーリーだったらどうしよう・・・」なんて心配していましたが、それは杞憂でした。

 

あまりSF小説を読まない初心者の僕でも、十分に楽しむことができ満足。

 

今回は、『旅のラゴス』の内容や読んでみた感想についてご紹介したいと思います。

 

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一生をかけて旅を続けるラゴスの、波乱万丈な物語

 

まずはあらすじについてご紹介しましょう。以下、裏表紙の作品紹介より引用。

 

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

物語の舞台は、電気や機械といった高度な文明を持たない世界

 

ラゴスの最初の旅は北から南へと進み、南方の地にある"あるモノ"を求めているところから始まります。

 

この旅が一筋縄ではいかず、旅仲間が殺人事件に巻き込まれたり、奴隷にされて銀鉱で何年も働かされたりと波乱万丈。

 

旅の目的地につき、"あるモノ"を手に入れてからもさぁ大変。今度は、それを持ち帰るために北へと進まなければいけません。

 

不運なラゴスは、帰りの道中でも奴隷にされてしまう。

 

結局、ラゴスの北から南、南から北への旅は20年以上の歳月を費やすことになるのです。

 

さらに帰ってきてからも、老齢になったラゴスは新たな目的のために旅を始める・・・。

 

『旅のラゴス』は、ラゴスという男が一生をかけて旅を続け、「本当の旅の目的」を知るという壮大なストーリーなのです。

 

作中で流れる時間、移動する距離を思うと、とても200ページあまりの小説とは思えないボリュームの作品

 

魅力的な登場人物の数々

 

作中にはいろんな能力、人種、性格、境遇を持った個性豊かで魅力的な人物がたくさん登場します。

 

登場する超能力は、集団転移、壁抜け、読心術、完全記憶、飛行など本当に多種多様。

 

超能力の取り扱いかたも面白く、「転移先に人や物などがあると爆発してしまう」や「壁抜けをするには壁にペタリと張り付き、ズブズブと埋まっていくように抜ける」など、便利なのか便利じゃないのかといった様相です。

 

この制約があるおかげで、登場人物がバンバン能力を乱発するようなこともなく、常識的、現実的な物語にすこしのエッセンスとして「超能力」という要素が効いてくる

 

これこそが、SF初心者でも入りやすい作りになっているところだと思います。

 

まとめ

 

さきにも述べましたが、『旅のラゴス』は200ページの小説とは思えないほど壮大なスケールで描かれています。

 

読了後のどっと疲れる感じは、僕がいままでに読んだ小説では味わえないものでした。

 

「いろんな世界を見てまわる旅がしたい!けどそんな余裕が・・・」なんて人はぜひ『旅のラゴス』を読んでみてください。

 

たった200ページの小説で一人の人間の一生を追いかけられるので、ちょっとした小旅行よりも体験できる経験はずっと濃密なものだと思います。

 

 

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