極道組織の対立を描いたアクションゲーム『龍が如く』シリーズ。
その最新作である『龍が如く7 光と闇の行方』は、まさかのRPGとなって登場しました。
主人公もこれまでの桐生一馬から春日一番へと変わり、新たな物語が展開します。
一通り遊んでみたので、今回は『龍が如く7 光と闇の行方』をプレイした感想についてお伝えします。
スポンサードリンク
『龍が如く7 光と闇の行方』ってどんなゲーム?
『龍が如く7 光と闇の行方』は、2020年1月16日に発売されたドラマティックRPGです。
前作で区切りがついた「桐生一馬」の物語から主要登場人物やゲームシステムを一新し、新たに「春日一番」を主人公に据えて物語が展開されます。
ジャンルはアクションバトルから、コマンド選択式のRPGに。物語の舞台も新宿・神室町から、横浜・伊勢佐木異人町へと移りました。
新主人公・新システム・新舞台とすべてが新しくなった『龍が如く7』は、マンネリ化が叫ばれていた『龍が如く』シリーズに、新たな風を巻き起こす最新作となっています。
『龍が如く7 光と闇の行方』をプレイした感想
『龍が如く』×『ペルソナ』のようなゲームシステム
本作が発売される前情報の段階では、「今度の『龍が如く』は『ドラクエ』みたいになるらしい」と言われていました。
ですが蓋を開けてみると、『ドラクエ』というよりも『ペルソナ』シリーズに近いシステムとなっています(ちなみに、『ペルソナ』の制作会社であるアトラスは、セガの子会社です)。
コマンドバトルのボタン割や、弱点や効果いまいちを示す「WEAK・RESIST」システム、バトルステータス以外にサブストーリー攻略などで役に立つ「人間性ステータス」などがあるあたりは『ペルソナ』(特に『ペルソナ5』)っぽいですね。
発売されるまでは「『龍が如く』でRPGって大丈夫か?」などと心配していたものの、遊んでみると意外にもこれが面白い。
リアルタイムで次々とコマンドを選びバトルが進んでいくのは、『ペルソナ5』で感じた「RPGだけど待ち時間が少なくてスピーディ!」という感動を想起させます。
ただし、もともとがアクションバトルだったのを考えると、コマンド選択式になった分、どうしてもテンポが削がれる部分があるのも否めません。
僕はRPGもアクションもどちらも好きなのでこれはこれで楽しめましたが、この辺は好みが分かれるところでしょう。
問題なのはRPGになったことではなく、RPGになのに過去作の『龍が如く』的なバトルシステムを変に踏襲してしまっていることです。
個人的に一番気になったのが、範囲攻撃の仕組み。
キャラクターが成長すると複数人に同時攻撃できる範囲攻撃をおぼえるのですが、これが過去の『龍が如く』でもあった「敵をつかんで振り回して、周りの敵にもダメージ」というものばかり。
本作ではバトル中にキャラクターの移動させることができず、そのくせ敵は勝手に移動しちゃうので、うまい具合にいかないと範囲攻撃当たりません。
「範囲攻撃をしても、1~2人にしか当たらない」ということが多々あり、敵を倒すまでにどうしても時間がかかってしまいます。
この辺のテンポの悪さは、もうすこしどうにかしてほしかった…。
キャラクターの転職システムは『ドラクエ』っぽいですね。ジョブチェンジという概念はこれまでの『龍が如く』では考えられなかったので、これも面白い。
ただ、キャラクター固有のジョブが少なく、共通ジョブが多いので、最終的にはみんな似たりよったりのジョブになっちゃうのは残念。
これだけ個性豊かなキャラクターがそろっているんだから、各キャラでまったく異なるジョブになれれば、さらによかったですね。
新主人公「春日一番」が思っていた以上に魅力的
今回から新たに登場した主人公、「春日一番」。
発売前は「桐生さんじゃない『龍が如く』なんて…」と思っていましたが、桐生さんとはまったく違った方向で、魅力的なキャラクターでした。
これまでの主人公であった桐生さんは、その圧倒的な強さと存在感で、一人ですべてを解決していく人物でした。
なんでも一人で抱え込み、身近な人にも弱さを見せない、まさに古き良き"極道らしさ"を体現するキャラクターでもありました。
対する春日一番は、三次団体の下っ端ヤクザ(しかも絶縁される)という、桐生さんに比べるとカリスマ性には欠ける人物です。
ですが、一番はその持ち前の明るさ(バカっぽさ?)と真っすぐさで、「仲間」をどんどん増やしていきます。
仲間との絆を大切にする一番は、桐生さんとは違い、物語全般を通じて「仲間と協力して解決する」というスタンスを崩しません。「一人でどうにかしよう」というシーンがほとんどないんですね。
これまでの『龍が如く』にはなかった、明るく風通しの良い人間関係が見られるのも、本作の魅力でしょう。
また、本作は"何物でもなかった主人公が、成り上がっていくストーリー"としても非常によくできています。
『0』以降はすでに伝説的な極道であった桐生さんとは、立場的にも対照的な人物なんですね。
また、春日一番の背中に彫られている「龍魚」の刺青にまつわる話も良い。
「この世界で龍を掘ることは、一流の極道の証。自分はまだそれほどではないけど、いつかこの龍魚を龍よりも輝かせる」という話が序盤に出てきますが、その後のストーリーと見事にリンクしています。
『龍が如く』の"極道映画っぽさ"が好きな人にはイマイチかも?
新システムをたくさん導入した『龍が如く7』はこれまでにない新たな魅力を打ち出していますが、その分、過去作にあった魅力が後退している面もあります。
僕が気になったのは、"極道映画っぽさ"が薄れたこと。
本作にもこれまでの作品に出てきた極道組織である「東城会」や「近江連合」などが登場しますが、メインで話に絡んでくるのは序盤と終盤だけ。
中盤はほとんどNPO法人や政治家、中国マフィア等々、極道とは関係のない輩たちが物語の主役になります。
過去作に合った「極道vs極道」のような、ヒリヒリとした戦いは後退し、どちらかといえば『ジャッジアイズ』のように、極道とはあまり関係のない話が展開されることも多いですね。
僕は『龍が如く』に登場する極道たちが大好きなので、もうすこし話の主題が極道寄りに展開されると嬉しかったかなぁ。
プレイスポットは過去作以上に充実している
シリーズおなじみのプレイスポット。本作はこれまで以上にプレイスポットが充実しています。
ゲームセンター、カラオケ、ダーツ、麻雀、将棋といったおなじみの遊びに加え、パチスロや映画館、カートをカスタマイズして競うレースゲーム「ドラゴンカート」や、制限時間内にフィールドに散らばった空き缶を集める「サバイバル缶拾い」、人材を育ててビジネスを拡大する「会社経営」などなど盛りだくさんです。
特にお気に入りなのが、会社経営ですね。
企業に投資したり人材を採用してビジネスを拡大し、会社を大きくするのが目的のゲームで、これがかなり面白い。
人材を育成したり、定期株主総会で株主たちとRPG的なバトルが楽しめたりと、本編と同じくらいハマりました(会社経営だけで、10時間以上遊んでいます)。
会社経営で得たお金は使うことができませんが、株主総会が終わるたびに「役員報酬」をもらうこともできるので、お金稼ぎとしても楽しい。
時間を忘れて楽しめるモードですね。
やりこみ要素がとてつもなく多くなった
『龍が如く7』は、過去最大規模でやりこみ要素が充実した一本となっています。
上述したプレイスポットに加え、毎度おなじみのサブストーリー、街の人々の困りごとを解決する「バイトクエスト」、敵を倒して図鑑を埋める「スジモン」、各ヒロインとの雑談イベント、クイズに答えて人間力を上げる「資格学校」、『ドラクエ』でいう"ちいさなメダル"集めに似た「東城会の代紋」集め、地下ダンジョンやバトルアリーナなどなど。
そのほかにも、細かいものを上げればキリがありません。
やりこみ要素をすべて埋めるとなると、100時間以上はかかるのかな?
これまでのシリーズもやりこみ要素は多いほうでしたが、バトルシステムがRPGに成った分、やりこみ要素もRPGばりのボリュームになっています。
じっくり遊びたい人にはうってつけですね。
まとめ
『龍が如く7』は、当初懸念していたよりもずっと楽しい一作になっていると思います。
少なくとも、新主人公である春日一番の物語をもっと見たいと思えるくらいには、ハマることができました。
シリーズファンは賛否両論あると思いますが、これまでの『龍が如く』にハマれなかった人や、じっくりRPGを楽しみたいという人にはおすすめの一本です。
▼前作『龍が如く6』のレビュー
【PS4】『龍が如く6 命の詩。』の評価/レビュー!桐生一馬伝説の集大成にふさわしい出来!
▼スピンオフ作品『ジャッジアイズ』のレビュー
『ジャッジアイズ』評価・感想・レビュー!"今の時代"に遊ばないと意味がない傑作!
▼PS4おすすめソフト
【PS4】おすすめの名作ゲームソフトをまとめて紹介!話題の最新作も
▼PS4ソフトの発売スケジュール
PS4 期待の新作ゲームソフト発売日スケジュール!今後発売するタイトルが一目でわかる