自分だけのオリジナルガンプラをカスタイマイズして戦わせることができる『ガンダムブレイカー』シリーズ。その最新作である『New ガンダムブレイカ-』が、2018年6月21日に発売されました。
シリーズ全作品をプレイしている身としては、一応今回も購入してみたものの、これが過去最悪レベルの出来。
久しぶりに、"つまらなすぎて逆に怒りが湧いてくるレベル"という作品でした(前回は『巨影都市』がそれ)。
何かの手違いで『New ガンダムブレイカー』を買ってしまう犠牲者がこれ以上増えないよう、本作についてダメなポイント(と、僅かながらに進化している点)をお伝えいたします。
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『New ガンダムブレイカー』ってどんなゲーム?
ガンプラを自由に組み替えて戦えるアクションゲーム!
発売日 | 2018年6月21日 |
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発売元 | バンダイナムコエンターテインメント |
価格 | 7,600円 |
プレイ人数 | 1人(オンライン:6人) |
CERO | B(12歳以上対象) |
『New ガンダムブレイカー』は、100体以上のガンプラを自由にカスタマイズして、自分だけのオリジナルガンプラで戦うことができるアクションゲームです。
頭、胴、腕、脚、バックパック、武器、盾といったパーツを組み替えられるだけでなく、ペイントによってパーツに塗装処理を施すことも可能。
カラーリング、ウェザリング(汚し加工)、メッキ塗装、傷処理、デカール貼り付けなど、現実のガンプラさながらのカスタマイズが楽しめます。作り上げたガンプラは、「ギャラリーモード」でじっくり鑑賞することも可能です。
本作では新たに、機体カスタマイズの骨組みとなる「インナーフレーム」という新要素を追加。
フレームによってステータスやアビリティが異なるので、どのフレームを選択するのかも重要になります。フレームを使い続けることで、アビリティが強化されていく育成要素もあります。
また、バトル中に敵が落としたパーツを拾い上げてその場で換装できる「リアルタイムカスタマイズバトル」という新システムも搭載。
拾ったパーツは最大5個までストックすることができ、バトル中にいつでも付け替えることができます。
「私立ガンブレ学園」で展開されるストーリーモード
シリーズおなじみとなるストーリーモード。本作ではガンプラ制作、バトルに優れた人材を育成するための学校「私立ガンブレ学園」を舞台に展開されます。
ガンブレ学園では学園最強のチーム「ラプラス・ネスト」が生徒会を仕切っていて、"強い者が正義、弱い者は悪"という実力主義の校風となっています。一般生徒たちはその圧政に苦しみ、誰も生徒会には口出しできないという状況に。
そのガンブレ学園に転校してきた主人公は、クラスメイトで学級委員長のコウラ・イオリや、元生徒会役員のミカグラ・ユイとともに、新生チーム「サイド0」を結成。
仲間と協力して生徒会とのガンプラバトルに挑み、学園を解放するというストーリーとなっています。
『New ガンダムブレイカー』を遊んでみた感想
アクションの爽快感0。ごちゃごちゃしていて何が起きているか全くわからない
『New ガンダムブレイカー』はガンプラを操作して戦えるというアクションゲームですが、その肝心のアクション部分がまったく面白くないことが致命的です。
まず、なによりも爽快感がない。敵の数が多いわりに、こちらの攻撃はすべて貧弱なので、いつまで経っても倒しきることができず、ダラダラとした戦闘が続きます。
攻撃もエフェクトばかりが派手なだけで、一切の爽快感なし。敵の数、攻撃エフェクト、落ちているアイテムの多さなど画面の情報が多すぎて、プレイしていてもごちゃごちゃしていて何が起きているのかまったく分からないような状態です。
操作性が悪いのは過去作からのことなのである程度は覚悟していましたが、本作ではカメラワークも悪くなっています。
パーツごとに設定されている必殺技「EXスキル」や、ステータスが大幅上昇する「覚醒」を使えばそこそこ爽快感のあるアクションが楽しめるものの、スキルゲージを溜めるまでが長い・・・。
EXスキルを発動するには、フィールドに落ちている強化粒子を集めてバトル中に「インナーフレームレベル」を上げていく必要があり、これが超メンドクサイです。もっとサクサク必殺技を撃てるようにしてくれないかな・・・。
"敵を倒していく爽快感"が皆無で、苦行のようなバトルを延々と続けさせられるゲームですね。
パーツ破壊の理不尽さがひどい。リアルタイムカスタマイズも楽しくない
本作からの新要素である「リアルタイムカスタマイズバトル」。敵が落としたパーツを拾って、戦闘中に自由に付け替えることができるシステムなのですが、これもバトルの爽快感を削ぐ原因となっています。
まず何よりも、敵からの攻撃を受けるとボロボロとパーツが外れていくのがひどい。
ダメージを一定量食らうとパーツが破壊され、ステータスが下がってしまいます。ただでさえ火力が足りなくてイライラするゲームなのに、余計にめんどくさい仕様です。
しかも敵の数が多く、すぐにタコ殴り状態に合うので、気づいたらパーツがほぼ外れてしまっているようなことも。
パーツが壊されると戦いようがないので、その場で拾ったパーツをつけてみるのですが、当然適当に拾ったパーツのためアンバランスで超かっこ悪い。
せっかくアレコレと考えて、自分なりのカッコいいカスタマイズで出撃しても、すぐにパーツが取れて変なパーツをつける羽目になります。これじゃあカスタマイズの楽しさも半減です。
パーツの拾い判定も甘いのか、落ちているパーツに近づいても取得できていないことが多く、パーツの周りをウロウロしてやっと取得。なんてことをしている間にまたタコ殴りに合い、パーツがぽろぽろと取れていく。こんなゲームで爽快感を感じる方が難しいです。
ゲージを溜めて「覚醒」することで壊れたパーツが復活するのですが、先にも述べたとおりゲージを溜めるまでが苦行なので、「カスタイマイズを元に戻すためにつまらない戦闘を延々続ける」というような、趣旨のよく分からないゲームと化します。
バトルや読み込みなど、すべてにおいてテンポが悪い
『New ガンダムブレイカー』は、全体的にテンポの悪い部分が目立ちます。戦闘中はもちろん、ちょっとしたメニュー画面の読み込みや画面切り替わる瞬間などでも、どうもレスポンスが悪い。
ほかのゲームであれば、「この程度の画面の切り替えは一瞬だろう」と思うような部分でも、自分が思っているよりも2テンポぐらい遅れて表示されます。画面が切り替わるたびにいちいちテンポが悪いことも、全体のストレスにつながっていますね。
オンラインマルチプレイもラグがひどく、とても気軽にサクサクと遊べるようなモードではありません。
原作のセリフをやたらと引用するだけの激寒ストーリーモード
本作はストーリーモードも最悪です。この手のゲームのストーリーモードに、「奥深いシナリオ」とか「魅力的なキャラクター」みたいなものを期待しているわけではありませんが、それ以前に原作ファンをないがしろにするようなセリフ回しが許せません。
キャラクターがいちいち「私は帰ってきた!」とか「あなたは人類の革新、ニュータイプね!」みたいに原作セリフのオマージュをぶっこんでくるのですが、これが超寒い。
そのセリフを言わせたいがための展開も目立ち、とにかくストーリーの邪魔です。
よく分からない選択肢表示もひどい。たとえば主人公が転校初日にクラスに行ったとき、担任の先生から「自己紹介よろしくね!」と言われたあと、「自己紹介をする」というだけの選択肢が表示されたりします。1択しかない選択肢をいちいち表示するな!
しかもその後、主人公が自己紹介する場面はすっ飛ばされて次のシーンに移るし・・・。
また、これは好みによるのでしょうが、本作のストーリーモードはギャルゲー的な要素が強くなっています。
ヒロインが6、7人登場し、主人公とイチャつくだけのストーリーを延々と見せられる苦行。「学園が生徒会に支配されていてみんな怯えている」という設定なのに、そのイチャつきのせいでまったく緊迫感がありません。
グラフィックスとカスタマイズの細かさは、数少ない評価ポイント
こんな具合でとにかく全体的にひどい出来のゲームですが、グラフィックスの良さとカスタマイズの細かさは評価できます。
本作から新たに「Unreal Engine 4」という開発エンジンを使っていて、その影響かグラフィックスは前作よりもキレイになっています。
特にガンプラの質感表現は素晴らしく、バトル中でキャラが動いているときでも高グラフィックスを保っています(結局、ごちゃごちゃしていてよく分からなくなるのですが・・・)。
カスタマイズの細かさも相変わらず素晴らしい。カラーリング変更はもちろん、光沢やメタリック加工、ウォッシングやエアブラシなど細かな設定項目が用意されています。
サイズや形がまったく違うパーツを組み合わせても、それなりに違和感なくマッチして見せる技術はさすがだなと思いますね。
また、機体の発進シーンもよく出来ています。バトル前に必ず発進シーンが差し込まれるのですが、そこだけやたらに気合の入ったグラフィックスになっていて、自分のカスタマイズもちゃんと反映されているのが素晴らしい。
まとめ:フルプライスで買う価値はまったくない!
ハッキリ言って、『New ガンダムブレイカー』はフルプライスで買う価値はまったくありありません。とにかく酷い部分が多すぎる。
Amazonのレビューも大荒れしていますが、妥当だと思いますね。ここまで楽しくないゲームも今どき珍しいくらいです。
純粋な疑問なのですが、開発陣はこのゲームが"おもしろい!"と思って発売したのでしょうか?僕には到底そうは思えません。
これを面白いと思って作っていたとしたらそれはそれでどうかしていると思いますが、誰一人面白いと思っていない、開発している側が作品の面白さを信じられていないのに、そのまま発売してしまう神経もどうかしていると思います。
ブログを始めてからいろんなゲームレビュー記事を書いてきましたが、ここまで酷評したのは初めてだなぁ。
発売直後から値崩れも起きているようなゲームなので、価格が下がりきったところで買ってみるのはアリかもしれませんね。
ここまで酷いゲームを遊べるのも珍しいので、ちょっとした話題の種にはなるでしょう。
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