2017年5月6日 更新
任天堂が誇る大人気レースゲーム「マリオカートシリーズ」の最新作、『マリオカート8 デラックス』が2017年4月28日にNintendo Switchで発売されました。
本作は2014年に発売されたWii U専用ソフト『マリオカート8』の拡張版なのですが、北米圏ではシリーズ最速の売り上げを記録するなど、ただの拡張版とは思えないほどユーザーから期待されていた作品。
Nintendo Switch向け『マリオカート8 デラックス』、シリーズ最高の初日売り上げを北米で記録。『マリオカートWii』を抜く | AUTOMATON
僕も『デラックス』の発売をずっと心待ちにしていて、ワクワクした気持ちで発売日当日を迎えました。
僕は前作『マリオカート8』もプレイ済みなのですが、『デラックス』を実際に遊んでみるとさまざまな改良点・新要素が盛り込まれていて、「買ってよかった!」と純粋に喜べる出来栄えで大満足。
数十時間プレイしてみたので、今回はNintendo Switch専用ソフト『マリオカート8 デラックス』のレビュー、プレイしてみた感想を記事にしたいと思います。
前作プレイヤーが気になるであろう変更点についても詳しく解説しますので、ぜひ購入の参考にしてください。
スポンサードリンク
『マリオカート8 デラックス』のゲーム内容
『8』本編+DLC+新要素が追加されたお得な拡張版商品!
『デラックス』はWii U版『8』の本編内容がまるっと遊べるほか、前作で配信されていた新キャラや新コースなどのダウンロードコンテンツがすべて収録されているので、前作未プレイの方にとっては超お得な商品となっています。
さらに『デラックス』からの新要素として、新キャラ、アイテムの複数所持、ウルトラミニターボなどの新システム、そして全5種類のバトルモードなどが追加。
ゲームをさらに白熱させるさまざまな新要素が、ふんだんに盛り込まれています。
前作を遊んだことがない人はもちろん、「『8』はけっこうやり込んだんだよなぁ~」という人でも十分楽しめる内容に仕上がっています。
『8』からの変更点や新要素
アイテムが2つまで持てるようになった!
前作『8』ではアイテムを一つまでしか持つことができませんでしたが、本作では同時に2つまでアイテムを取得できるようになりました。
コースに設置してあるアイテムボックスも、シングタイプとダブルタイプの二種類に。
アイテムを2つ持てるようになったことで、より戦略性の高いゲームシステムになりました。
その昔、ゲームキューブ用ソフトの『マリオカート ダブルダッシュ!!』ではアイテム2つ持ちシステムがあったので、約15年ぶりの復活ですね。
また、新アイテムも2つ追加されています。
カートが高くジャンプして障害物や敵を飛び越えられる「ハネ」と、一定時間カートが無敵になって敵からアイテムを奪うことができる「テレサ」の2種類。
どちらもゲームに新たな戦略性をもたらす、個性的な能力です。
ドリフト時に「ウルトラミニターボ」ができるように!
「マリオカートシリーズ」では必須テクニックとなった、一定時間ドリフトし続けることで発動する「ミニターボ」。
これまで「ミニターボ」と「スーパーミニターボ」のみだったのが、本作からはさらに長時間ドリフトし続けることで「ウルトラミニターボ」が発動するようになりました。
ウルトラミニターボは火花の色が紫色に変化し、ダッシュ時間も増加。
ヘアピンなどのキツいコーナーではウルトラミニターボが溜められるようになったので、コースによっては攻略法が若干変わっています。
定番の「ふうせんバトル」のほか、さらに4種類のバトルルールが追加され全5種類に!
「マリオカートシリーズ」といえばレースモードのほかに、敵にアイテムをぶつけて風船を割るバトルモードも外せない要素。
これまでバトルモードで遊べるルールは「ふうせんバトル」のみでしたが、本作から新たに4種類のルールが追加され、全5種類のバトルモードが遊べるようになりました。
追加されたのはボムへいだけで戦う「ドッカン!ボムへい」、一定時間内により多くのコインを集める「あつめてコイン」、コース上にあるひとつのシャインをみんなで奪い合う「いただきシャイン」、スパイチームとパックンチームに分かれて戦う「パックンVSスパイ」の4種類。
どのルールもかなり白熱するゲーム性になっているので、これまで以上にバトルモードが面白くなっています。
また、前作ではレースモードとバトルモードのコースが同じものでしたが、本作からはバトルモード専用コースも8種類追加されました。
前作はレース用コースで戦っていて「なかなか敵と遭遇しない」ということがよくありましたが、今作ではそのあたりもしっかりと調整されているのは素晴らしい。
『スプラトゥーン』のボーイ&ガールやクッパJr.、カロン、キングテレサといった新キャラが追加!
リンク、むらびと、タヌキマリオなどの前作DLC追加キャラのほか、本作では完全新規のキャラクターたちも登場します。
登場する新キャラは『スプラトゥーン』のボーイとガール、クッパJr.とカロン、そしてキングテレサの5体。
『スプラトゥーン』のキャラ追加は個人的にめちゃくちゃ嬉しいですね。
ボーイ&ガールはジャンプアクションを決めるとイカに変身したり、グライダー時にはスプラシューターを構えたりと、かなり細かくアクションが作り込まれています。
それに合わせて新たにスプラトゥーンカートが使えるようになったり、バトルコースでは「デカライン高架下」が追加されました。
キャラクターの数は新キャラ含めて全42体とシリーズ最多です。
初心者でもコースアウトしない「ハンドルアシスト機能」!
「マリオカート」はコースアウトして落下するとものすごくタイムロスしてしまい、これが初心者がなかなか勝てない大きな理由だったりするのですが、本作では絶対にコースアウトせずに走ることができる「ハンドルアシスト機能」が追加されました。
ハンドルアシストをONにして走ると、コースから外れそうになっても自動でハンドルを切ってくれたり減速してくれるので、慣れないコースでも安心して走ることができます。
このゲームでは「早く走れるけどコースアウトしちゃう人」よりも「ゆっくりでも絶対にコースアウトしない人」が早かったりすることもままあるので、ハンドルアシスト機能を使えば初心者でもオンライン対戦でけっこう勝てるはず。
ただしこの機能を使うとコース外に出るようなショートカットができなくなってしまうので、その点だけは注意が必要です。
ある程度ゲームに慣れてきたら、ハンドルアシスト機能をOFFにしてショートカットを使えるように練習しましょう。
「サンドリ」や「ねじれ」は廃止!
前作をやり込んだプレイヤーなら身につけている人も多いであろう「サンダードリフト(サンドリ)」や「ねじれドリフト」などのテクニックは本作では廃止されています。
「サンドリ」「ねじれ」を知らない人のために説明しておくと、
サンドリとはミニターボやキノコでダッシュしている状態で「右→左→右→左・・・」と細かくドリフトを繰り返すことで、最高速度が上がるという走行テクニック。その動きから"ケツ振り"なんて呼ばれたりもします。
ねじれはダッシュ中に着地ドリフトを連続で入れることでスピードを維持するテクニック。
本作からプレイする人にとっては「なんのこっちゃ?」という感じでしょうが、『デラックス』では廃止された仕様なので気にせずプレイして大丈夫です。
これらのテクニックはある種のバグみたいなものだったので、廃止されたのは個人的には大歓迎かなと。
走行テクニックがシンプルになったので、実力差が開きにくくなっていると思います。
遊んでみた感想
アイテムが2つになったことで格上相手でも勝ちやすくなっている!
本作の一番大きな変更点といえば、アイテムが2つ持てるようになったことでしょう。
レースモードでもバトルモードでも2つ持ちできるようになり、アイテム周りの駆け引きや戦略性が大幅に向上しています。
これまでの作品ではアイテムをお尻につけた状態でアイテムボックスに触ると、また新たにアイテムが取得できて、「お尻のアイテム+ストックアイテム」というのが可能でしたが、前作『8』ではこれが廃止されてお尻にアイテムをつけた状態でも新たにアイテムを取ることができなかったんですよね。
個人的にはアイテムが持てる数が多ければ多いほど初心者救済になると思っているので、本作の仕様変更は非常にありがたい。
アイテムが2個持てると下位のときに「スター+キラー」とか「パワフルダッシュキノコ+トリプルダッシュキノコ」みたいに一気に順位を上げられるような状況になりやすく、アイテム次第で格上相手でも勝ちやすいゲームシステムになっています。
逆に上位の人も2つ持てるので、バナナやミドリこうらなど防御アイテムも出やすく、なかなか上位を崩せないというジレンマもありますが・・・。
それでも2個持ちになったのはアリだと思います。マリオカートらしいお祭り感、わちゃわちゃ感が出ていい感じ。
コース上のアイテムボックスの位置も絶妙で、「シングルアイテムボックスならインを突いて曲がれるけど、ダブルアイテムボックスを取るならすこし膨らんでコーナーを曲がらなきゃいけない」というのがあったりして、ライン取りでも個々の戦略や判断が要求されて非常に面白いです。
バトルモードがものすごく面白くなった!
本作では新たに4つの新バトルルールが追加されましたが、どれもよく出来ていて、めちゃくちゃ盛り上がります。
個人的にイチオシは「パックンVSスパイ」。
シリーズ初のチーム戦になっていて、逃げる側のスパイチームとそれを追う側のパックンチームに分かれて戦うというルール。
捕まったスパイは檻に囚われるのですが、仲間が檻に触れると脱出することができ、パックンチームは全員を捕まえるまで追い続けます。簡単にいうと「ドロケイ」みたいなルールですね。
これがけっこう白熱するゲームで、逃げる・追うためのドライビングテクニックが重要なのはもちろん、「敵を捕まえるために仲間と連携して挟み撃ちにする」「敵を脱出させないために檻を監視して守る」など立ち回りの重要性も高く、非常に戦略性が高いゲームシステムになっています。
そのほかにも「ドッカン!ボムへい」はふうせんバトル以上にド派手なバトルが楽しめるし、「あつめてコイン」は倒すでも逃げるでもなく"集める"という、これまでとは違う戦略が要求されたりと、どのルールも面白い。
本作はバトルモードのボリュームもすごいので、「レースは苦手・・・」という人でも十分に楽しめると思います。
バトルモードもレースモードと同じくレート(ランクマッチのポイントのようなもの)が存在するので、バトルで世界のトップを狙うことも可能です。
また、コースもバトル専用コースが8種類追加されたのも大きなポイント。
「スタッフは今回バトルモードに相当力を入れているな~」というのが感じられるゲームになっています。
シリーズ初心者にも前作プレイヤーにもおすすめできる良ゲー!
『マリオカート8 デラックス』はこれまであまりマリオカートを遊んでこなかったシリーズ初心者の人、前作をしっかり遊んだプレイヤーのどちらにもおすすめできる素晴らしい出来のレースゲームだと思います。
僕はN64のころから「マリオカートシリーズ」をプレイしてきましたが、ひいき目なしに本作はシリーズ最高傑作だといえます。
キャラ・マシン・コースの充実度、初心者へのアシスト機能、バトルモードのボリュームなど、どれをとっても素晴らしい。
Switchを持っていて前作未プレイなら間違いなく買いです。
レース用の新コースはないので前作でタイムアタックをやり込んだ人には目新しさが少ないかもしれませんが、アイテムが2つになったりウルトラミニターボが追加されたことで、レースモードの遊び心地は変化しています。
バトルモードはガラリと変わっているので、「『8』のときはレースばっかりやっていてバトルは全然遊ばなかったな~」という人はかなり楽しめるはず。
一人でもみんなとでも盛り上がれるゲームなので、気になった方はぜひチェックしてみてください!