硬派な戦略シミュレーションRPGとして人気を博している『ファイアーエムブレム』シリーズ。
これまではシミュレーションゲームでしか遊べなかったFEシリーズですが、ついにあのコーエーテクモゲームスとコラボし、"無双アクションゲーム"として新作が誕生しました。
それが9月28日に発売された『ファイアーエムブレム無双』。
FEも無双もどちらも大好きなゲームなので、このコラボには大興奮。「いったいどんなゲームになるんだ?ちゃんとFEの世界観は守れるのか?」と期待半分不安半分で発売にSwitch版を購入しました。
うっひょおおおおおおお!!! pic.twitter.com/b7Az57RFzU
— 一条 蓮 (@ren_ichijoh) 2017年9月28日
とりあえずストーリーモードをクリアしたので、今回は『ファイアーエムブレム無双』をプレイした感想をお伝えいたします。
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『ファイアーエムブレム無双』ってどんなゲーム?
「無双×FE」!アクション性をもって生まれ変わったファイアーエムブレム
『ファイアーエムブレム無双』は2017年9月28日に発売された無双アクションゲーム。対応ハードはNintendo Switch版とNew3DS版の2バージョンが発売されています(3DS版はNew専用。通常の3DSではプレイできないので注意)。
『真・三國無双』や『戦国無双』などの無双シリーズを手掛けるコーエーテクモゲームスと任天堂のコラボタイトルで、任天堂の無双ゲームとしては2014年に発売された『ゼルダ無双』に続き2作目。
マルス、クロム、カムイなど歴代FEに登場するキャラクターが一堂に会し、爽快感バツグンのアクションを繰り広げます。
武器相性による3すくみ、死んだキャラは蘇らないロストシステムも健在
ファイアーエムブレムといえば、武器ごとの相性システムや死んだキャラは二度と使うことができない「ロストシステム」が特徴的ですが、『無双』になってもその要素は健在です。
「剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い」という3すくみの武器相性があるので、自キャラと敵キャラの持っている武器を見極めて戦う必要があります。
また、特定のユニットに対する「特効」システムも。ペガサスナイトなどの飛行ユニットに対しては弓で、重装備の敵に対してはアーマーキーラーで攻撃すると大ダメージを与えることが可能です。
そして、本シリーズ最大の特徴ともいえる「一度死んだキャラは二度と出撃できない」というロストシステム。
なんと『ファイアーエムブレム無双』は無双ゲームでありながら、このロストシステムを採用しているという稀有なゲームです。
ただしゲームスタイル選択で「カジュアル」「クラシック」を選ぶことができ、ロストはクラシックモードでのみ発生します。
そのほかにも仲間と共闘することで絆が深まる「絆システム」やほかのユニットとペアんになって行動できる「ダブルシステム」など、本家FEではおなじみのシステムも盛りだくさんです。
参戦作品は『暗黒竜』『覚醒』『if』の三作品!『烈火』や『Echoes』からも一部登場
本作に登場する作品は、『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』『ファイアーエムブレム 覚醒』『ファイアーエムブレム if』の三作品。
それぞれのタイトルからマルスやシーダ、クロム、ルフレ、カムイ、リョウマといった人気キャラクターが参戦します。
ファンからすると「〇〇からも出してくれ!」「あのキャラがいない!」といった文句もあるでしょうが、参戦作品を絞った理由としては、「作品を広げてしまうとそれぞれから剣を使う主人公を多く出すことになってしまい、3すくみが機能しづらくなる」といった事情があるようです。
『FE無双』のシリーズが今後も続けば、参戦作品がもっと増えると思いますので、そこまで我慢しておきましょう。
また、『ファイアーエムブレム 烈火の剣』から主人公のリンが、『ファイアーエムブレムEchoes』からセリカがそれぞれ登場。
『烈火』と『Echoes』は特別出演のような扱いで、プレイアブルキャラクターではありますがストーリーモードには登場せず、ヒストリーモードでのみ登場します。
遊んでみた感想
ちゃんとFEしてる!無双ゲーでありながら戦略性が高い!
冒頭でも書きましたが、FEも無双も両方好きな僕としては、期待する半面「FE無双って大丈夫?FEの良さを消しちゃわない?」と心配していたところもありました。
しかし実際にプレイしてみると、これがびっくりするほど『ファイアーエムブレム』なんです。
これまでの無双ゲームは「とにかく強いキャラを敵陣に突っ込ませて暴れる」といったシンプルなゲーム性でしたが、本作は武器の相性があるため、1キャラだけを突っ込ませても勝ち切ることはできません。
苦手な武器相性の敵だとガードが固くなったり、与ダメージが減少したり、覚醒ゲージが溜まらなかったりと、効率よく倒すことができずヤキモキ。
逆に武器の相性がいいと、通常攻撃の与ダメージがアップするほか、敵のスタンゲージを削って「必殺の一撃」が与えられるようになったりと、無双ゲームらしい爽快感がでてきます。
効率よく戦うためには、最大4人まで同時出撃できるキャラクターたちにそれぞれ指示を出して進行ルートを決め、適切なタイミングで操作キャラをチェンジして戦う。
こんな戦略シミュレーション的なプレイングが求められるのです。
慣れるまでは「無双ゲームで味方に指示出しながら戦うのってちょっと煩わしいなぁ」と感じていたのですが、慣れてくるとこれが超楽しい。
刻々と変化していく戦況に合わせて味方に進行ルートの指示を出すと、味方CPUが敵の拠点を制圧してくれる。
自分はボスを倒しに行ったり、宝箱を探しているあいだに味方がほかの敵をやっつけてくれるので、非常に効率よくゲームを進めることができるんです。
また、『FE無双』は"味方ユニットに指示を出すこと"を前提としてゲーム難易度が設定されています。
途中で発生するサイドミッション(「〇〇を救出しろ」とか「〇〇を倒せ」など)は、自分ひとりで全部を回ろうとすると制限時間に間に合いません。
そこで味方ユニットをうまく使いながら、こうしたミッションを進めていく。
こういう戦略シミュレーション的な遊びが好きな人には、『FE無双』はハマると思います。
キャラクター育成が楽しい!おなじみの「クラスチェンジ」も
『ファイアーエムブレム』といえば育成要素も楽しみのひとつ。『無双』になってもしっかり育成要素があります。
敵を倒してレベルアップするとステータスが上昇。ステータス値は原作そのままの項目を使っています(レベルアップ音も原作のSEそのままなのが嬉しい)。
通常ステータス以外のコンボ数増加やスキル付与といった特殊能力は、素材を使って作成する「紋章」で獲得可能。いわゆるスキルツリーのようなシステムです。
強力な紋章を作るためにはレアな素材が必要になるので、難易度の高いミッションに挑戦して集めていきます。この素材集めも楽しい。
また、FEシリーズおなじみの上級職への「クラスチェンジ」も健在。クラスチェンジするためにはこれまたおなじみのマスタープルフという素材が必要に。
クラスチェンジすると見た目が変化し、能力が大幅に上昇します。原作と違ってレベル1に戻ったりしないので、マスタープルフをゲットしたらガンガン使ってOK。
マスタープルフはキャラクターの数だけ手に入るみたいなので、最終的には全キャラクラスチェンジができます。
上級職の見た目がどれもかっこよくて最高です。「THE 英雄!」って感じ。また、能力はそのままに見た目だけ下級職に戻すことも可能。
武器強化も本作の楽しみのひとつです。
武器にはそれぞれ「重装特効」や「物理魔法反射」といった特性がついていて、「錬成」することでほかの武器に特性を移し替えることができます。
レア度の高い武器ほど強力な特性がついていたり、特性を付けられるスロットの数が多かったりするので、高難易度ミッションにどんどん挑戦して武器を集めていくのが面白い。
ストーリーモードをハードでクリアしただけではレア度Bくらいまでの武器しか手に入らなかったので、まだまだこれからやれることが多そうです。
死んだら生き返らない「クラシック」はとてつもない緊張感!よほど自信のある人にしかおすすめできません
『ファイアーエムブレム』の代名詞ともいえる要素である、"一度死んだキャラは生き返らない"というロストシステム。
本作は無双ゲームでありながら、このロストシステムを採用しています。
ゲームを始める前にロストシステムありの「クラシック」か、死んでも生き返る「カジュアル」かを選べるのですが、僕はFEも無双もプレイしてきた人間なので、「ここは硬派なクラシックでしょ!」と意気込んでプレイ。
実際にゲームが始まると、これが死なずに進めるのはなかなか難しい。ストーリーモード中盤で普通にロストしました・・・。
上述したとおり、本作は武器相性を考えてユニットに指示を出すことが必須になります。
ストーリーモード中盤くらいまではある程度ゴリ押しプレイでも大丈夫だったのですが、中盤にきて途端に難易度が上がり・・・。
すっかり気を抜いていた僕は、武器相性の悪い敵に味方ユニットが挑んでいることに気づかず、見事にロスト。
そこからは途端に緊張感がアップ。
出撃前にきちんと進行ルートを指示して、味方すこしでも危なくなったらヒーラーで回復。敵につかまってボコられている味方がいれば、自分でそのキャラを操作し前線から逃がしてあげる・・・。
そうやってひとりひとりのユニットをきちんとケアしてあげながらの慎重なプレイングになりました。
CPUが操作している味方キャラが武器相性の悪い敵と当たるとあっさり死ぬので、無双ゲームだからといって自分の操作キャラだけで前線に突っ込んでいると、ロストしまくります。
非常に緊張感の高いゲーム性になるので、クラシックで遊ぶのはよほど自信のある人だけがおすすめです(その緊張感が楽しいのですが)。
モードはゲーム中にいつでも変更可能なので、「最初はカジュアルで遊び、慣れてきたらクラシックに変えてみる」という遊び方もいいかもしれません。
歴代キャラ同士の掛け合いがあるのは嬉しい!
本作は歴代シリーズのキャラクターたちが同じ舞台に登場するというのも大きな魅力です。
「タッグ」を使って一緒に行動したり、特定の条件を満たすとユニット同士の絆が深まり「絆会話」が発生します。
クロムとマルスが語り合ったり、本来なら敵同士であるリョウマとマークスの絆を深められたり。
まさにシリーズファンなら涙が出るようなキャラ同士の掛け合いが存在するのが素晴らしい。
しかもその掛け合いがボイス付きだからすごいんです。キャストはもちろんオリジナル版の声優さんたち。
掛け合いもただ適当にキャラをしゃべらせているのでなく、ちゃんとキャラ同士の特徴をみて脚本を構築しています。剣術の手合わせで熱くなるクロムとリョウマとかもう最高。
原作FEのキャラクターたちに思い入れがある人ほど、絆会話にはグッとくるはず。
これだけしっかりとキャラクター同士の会話を作ってくれているなら、参戦キャラがやや少ないことにも目をつぶれます。
次回作を作ることがあっても、この絆会話はちゃんと残しておいてほしい。
間違っても「参戦キャラだけをとにかく増やし、キャラ同士の掛け合いは適当」なんてことにならないようにしていただきたいですね。
キャラの関係性を説明してくれるのでシリーズ未プレイでも楽しめる!
「キャラ同士の掛け合いってことは、ファイアーエムブレムを遊んでないとストーリーが分からないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、心配いりません。
キャラの会話が多い分、キャラクターの立場や関係性もきちんと説明してくれるので、原作を全然やっていなくても「ああ、こいつはこういうキャラなのね」とだいたい理解できると思います。
もちろんすべてを丁寧に解説してくれるわけではないので、「あれ?これはどういうこと?」という部分も多少あるでしょうが、そのときはWikipediaへGO。
とにかく、「原作ファイアーエムブレムをプレイしていないとストーリーにまったくついていけない」というようなことはないので、シリーズ未プレイでも十分楽しめるはずです。
「『FE無双』を遊んでみてキャラが気に入ったら、そこから原作ゲームに入っていく」というルートもありなんじゃないかなと思います。
まとめ|戦略を考えながら無双ゲームを遊びたい人にはおすすめ!
『ファイアーエムブレム無双』はFEの戦略性と無双の爽快感をほんとうにうまく融合させている作品だと思います。ここまでクオリティの高いものが出来上がるとは正直思っていませんでした。
惜しむらくは、全体のゲームボリュームがやや少ないことが残念ですね。
ストーリーモードをクリアしても高難易度の「ルナティック」で再挑戦できたり、原作を追体験できるヒストリーモードを遊んだりとできるのですが、もうすこしやり込み要素のあるモードがあると嬉しかったなと。
まぁまだシリーズ一作目なので、そのあたりは続編に期待しましょう。
これまでの無双ゲームはとにかくボタン連打していれば勝てちゃうゲームばかりで、それが退屈という人もいると思います。
そういう人にこそ『ファイアーエムブレム無双』をおすすめしたいですね。
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