近年ますます人気となっているアメコミ映画———
『アイアンマン』や『スパイダーマン』、『バットマン』といった作品名は、アメコミ映画に興味がない人でも聞き覚えがあるのではないでしょうか?
しかしなんとなく作品名は聞いたことがあっても、「作品が多すぎてなにがなんだかわからない」とか「『アベンジャーズ』ってなに?ヒーローがいっぱい出てくるらしいけどどういうこと?」なんていう疑問を抱えた方もいるはず。
そこで今回はアメコミ映画大好き人間の僕が、「アメコミ映画がよくわからない!」といった初心者の方向けにその仕組みをわかりやすく解説したいと思います。
これを読めばあなたもアメコミ映画にちょっと詳しくなるかも?
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出版社によって違いがある!
(出典:https://missclarapress.com/)
アメコミ映画の原作となっているのは、当然ですがアメリカの漫画(アメリカンコミックス)です。
日本の漫画が「集英社(ジャンプ)」と「講談社(マガジン)」というように出版社が分かれているのと同じく、アメコミも出版社の違いで連載している作品が異なります。
現在、アメコミの大手出版社は「マーベル・コミック」と「DCコミックス」の二社。
マーベルは『アイアンマン』や『スパイダーマン』、『X-MEN』といった作品を、DCコミックスは『スーパーマン』や『バットマン』といった作品を抱えています。
アメコミを知らない人が最初につまづきやすいのがこの「出版社による違い」。
ひとくちに「アメコミ」といっても、このように出版社によって連載している作品が違うんです。
映画の配給・制作会社によっても違う!
「出版社が2つあるってことは、映画も2つの会社が作ってるの?」と思われるかもしれませんが、ここがさらにややこしいところで、アメコミ映画を作っている会社はさらに細分化されて複雑な状態になっているんです・・・。
現在、アメコミ映画の配給・制作をおこなっている会社は『20世紀FOX』、『ワーナーブラザース』、『マーベル・スタジオ』、『ソニーピクチャーズ』の4社。
それぞれが抱えている作品は以下の通りです。
正確にいうと配給会社と制作会社は別なので、こういう表で一概に表わすことはできないんですが、わかりやすくこのようにまとめさせていただきました。
それぞれの会社が「マーベル・コミック」と「DCコミックス」からキャラクターの版権を借りて、映画を製作しているという状況です。
アメコミ映画をよく知らない人でも、聞いたことはあるであろう『アベンジャーズ』という名前。
これはマーベル・スタジオが制作している『アイアンマン』や『キャプテン・アメリカ』、『マイティ・ソー』といった作品たちを"一つの同じ世界にまとめて登場させる"というお祭り企画的な映画です。
こういうコラボのことを「クロスオーバー作品」なんて言ったりするのですが、アメコミは原作でもクロスオーバーがバンバン出てくるんです。なので『アベンジャーズ』も映画だけでなく原作にも登場しています。
原作だと『アベンジャーズ』には同じマーベル作品である『X-MEN』や『ファンタスティック・フォー』といった作品たちも登場するのですが、実写映画では制作している会社(=権利を持っている会社)が違うため、登場させることができない状況に。
また、『スパイダーマン』シリーズの映画はこれまで「ソニーピクチャーズ」が権利を持っていましたが、マーベル・スタジオとソニーが提携したことにより、制作会社がマーベル・スタジオへと移管。
(出典:http://gigazine.net/)
そのため、昨年公開された『シビル・ウォー/キャプテンアメリカ』にスパイダーマンが登場したり、17年夏に公開される『スパイダーマン ホームカミング』ではマーベル・スタジオ作品であるアイアンマンが登場するといったクロスオーバーが実現しました。
こういう大人の事情が垣間見えるのも、アメコミ映画の面白さだったりします。
『アベンジャーズ』は「マーベル・シネマティック・ユニバース」という一大プロジェクトの一環!
先ほど「『アベンジャーズ』はマーベル作品を一つの世界にまとめて登場させるお祭り企画」といいましたが、このお祭り企画は「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」というプロジェクト名で呼ばれています。
MCUが始まったのは、2008年に公開された『アイアンマン』から。
そこから『インクレディブル・ハルク』、『マイティ・ソー』、『キャプテンアメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と続き、そして今年公開された最新作『ドクター・ストレンジ』と現在でもこのプロジェクトは続いています。
このMCUに属する作品群たちはすべて世界観を共有しているため、『キャプテンアメリカ』の映画にアイアンマンのお父さんが出てきたり、『インクレディブル・ハルク』の映画にキャプテンアメリカの話がでてきたりなんかも。
それぞれの映画が同じ世界観のため、『アベンジャーズ』というお祭り企画でも矛盾や違和感がなく、スーパーヒーローたちが一堂に会することができるんですね。
※ここからは余談なので、読み飛ばしていただいてもけっこうです。
ちなみに、MCUの作品は公開年によって「フェイズ1」「フェイズ2」「フェイズ3」と分かれています。
フェイズによってキャストが変わるわけでもないので、特に気にすることなく観て大丈夫なのですが、一応ご紹介させていただきます。
各フェイズの作品たちは以下の通り。
フェイズ1
『アイアンマン』(2008年)
『インクレディブル・ハルク』(2008年)
『アイアンマン2』(2010年)
『マイティ・ソー』(2011年)
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)
『アベンジャーズ』(2012年公開)
フェイズ2
『アイアンマン3』(2013年)
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)
『アントマン』(2015年)
フェイズ3
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)
『ドクター・ストレンジ』(2017年)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017年公開予定)
『スパイダーマン ホームカミング』(2017年公開予定)
『マイティ・ソー/ラグナロク』(2017年公開予定)
『ブラックパンサー』(2018年公開予定)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年公開予定)
だいぶ数が多いので一気に観るのは大変かもしれませんが、上に挙げた順番通りに観ていけば、『アベンジャーズ』というくくりで語られる作品群の世界観が理解できるはずです。
まとめ
映像技術の進歩にともなって、これまで映画化は難しいとされていたアメコミたちが次々と実写化されています。
作品の数も多くなってきたので初心者の方からするとややこしいとは思いますが、本記事が、そういった方たちがアメコミ映画に踏み入れるための一助となれれば幸いです。
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