――これは呪いか。それとも罰か。(『ニーアオートマタ』キャッチコピーより)
スクウェア・エニックスの人気アクションRPG『ニーアゲシュタルト/レプリカント』の続編、『ニーアオートマタ』が先日発売されました。
E3 2015で発表されて以来、ずっと話題になっていたので僕も購入を決意。
実をいうと前作の『ゲシュタルト/レプリカント』をプレイしたことがないのですが、シナリオの繋がりは薄いので、本作から初ニーアの僕でも十分楽しむことができました(どうやら前作に登場したキャラクターや設定のオマージュが随所に散りばめられているようなので、当然、前作を遊んだ人の方が世界観をより堪能できます)。
今回は『ニーアオートマタ』のレビュー/評価を書いていきたいと思います。
スポンサードリンク
『ニーアオートマタ』ってどんなゲーム?
異星人の侵略により荒廃した地球を舞台に戦うアンドロイドたちの物語
【ジャンル】アクションRPG
【対応機種】PS4
【開発元】プラチナゲームズ
【発売元】スクウェア・エニックス
【発売日】2017年2月23日
【プロデューサー】齊藤陽介
【レーティング】CERO:D(17歳以上)
本作の舞台は遥か未来の地球。異星人の侵略により人類は月へと逃げ、地球奪還の任務を与えられたアンドロイド兵士たちが、地球を支配する「機械生命体」と戦うという物語です。
「荒廃した地球」「月に追われた人類」「人類が生み出したアンドロイドたちが敵の機械生命体と戦う」などのキーワードが散りばめられた本作は、作風としてはSFに分類されるものでしょう。
主人公は戦闘型アンドロイド「2B(トゥービー)」というキャラクターで、色白の肌に黒い衣服を身にまとった兵士。
サポートユニットの「ポッド042」や、同じくアンドロイドの「9S(ナインエス)」とともに、謎の機械生命体との戦いに挑みます。
巨大な剣を振り回し、飛行ユニットで空を駆ける!やり応え十分のアクションRPG!
主人公2Bは東洋の刀や騎士が持つような巨大な剣、突撃兵が使う槍などを用いて戦います。自身の頭身より大きな武器を振り回しながらの戦闘アクションは、爽快感バツグン。
「ポッド」と呼ばれるサポートユニットも随行し、ガトリングによる援護射撃やレーザーによる高火力攻撃で支援してくれます。
『ニーアオートマタ』の基本システムは王道のアクションゲームなのですが、それだけではなく、エリアやシーンによっては「飛行ユニット」を用いた空中戦も繰り広げられる。
空中戦はシューティングゲームのような操作性になるので、ひとつのゲームでアクションもシューティングも楽しめちゃいます。
プレイした感想&レビュー
さまざまな武器、ポッドを使ったバトルが超楽しい!
本作には「小型剣」「大型剣」「槍」「格闘武器」とさまざまなジャンルの武器が登場します。攻撃は弱攻撃と強攻撃があり、それぞれ別の武器を装備することが可能。
なので「弱攻撃には素早い連撃が可能な小型剣を装備して、強攻撃には重たい一撃が振れる大型剣を装備」とか、その逆に「あえて弱攻撃に攻撃力の高い大型剣を装備して、強攻撃には槍を」といった装備セットのカスタマイズができます。
同じ武器でも弱にセットするか強にセットするかでアクションが異なるので、バトルアクションのパターンは非常に多彩です。
武器セットも2つまで作ることができ、戦闘中に随時切り替えながら戦うことも可能。状況に応じて最適な武器選択が要求されます。
どの武器もアクションが派手で、攻撃が敵にヒットしたときの演出も気持ち良いため、戦闘の爽快感はバツグンです。
また、支援兵器「ポッド」がずっとくっついて来てくれるのですが、コイツのアクションもまた楽しい。
R1を押し込むことでガトリングを発射し援護射撃をしてくれたり、「ポッド・プログラム」 と呼ばれる必殺技で、強力な一撃をかましてくれたり。
ポッド・プログラムは強力な光線を放つ「レーザー」やエネルギーの塊を叩きつける「ハンマー」、敵の攻撃を防ぐ「シールド」など種類が豊富なので、「どのプログラムを選択するか?」という楽しみもあります。
アクションゲームにおいて重要な「キャラを動かす楽しさ、敵を倒す面白さ」をしっかりと抑えた本作は、アクションの面ではカンペキな出来だといえるでしょう。
荒廃した地球を舞台に繰り広げられるシナリオは、SF好きにはたまらない!
「異星人に奪われた地球を奪還する」というのが本作のメインシナリオになり、そのために人類はアンドロイド兵士を製造し、地球に送り込みます。
異星人が支配する地球には人類がおらず、「機械生命体」というロボットたちが無数に存在するのですが、殺戮マシーンと化してアンドロイドたちを殺しまくる奴もいれば、創造主である異星人の命令を無視して平和主義を唱える奴らがいたりと、文化や個性を感じられる設定が与えられているのがいい。
主人公側のアンドロイドたちも皆ロボット(義体)のため、話としては「ロボットVSロボット」という、どこか悲しさを感じるシナリオになっています。
本作に登場するさまざまなステージは「砂漠地帯」や「森林地帯」といった自然豊かなものもあれば、「水没都市」や「遊園地廃墟」といったように、過去に繁栄していた人類の文明を感じさせるようなものもあります。
SF好きにはたまらないようなステージが数々登場するので、そういった面でも楽しめる作品です。
武器の強化、ポッドの改造、プラグインチップによるスキルシステムなど、育成が面白い!
『ニーアオートマタ』にはさまざまな育成要素があります。レベルアップによるステータス変化はもちろん、武器の強化、ポッドの改造、スキルシステムなどなど。
どれも奥が深いので、ひとつずつ説明していきましょう。
まずは武器の強化。各武器ごとにレベル1~4までの強化が可能で、「武器ごとに必要な素材を集めて強化する」というシステム。
武器レベルを上げることで攻撃力がアップするのはもちろん、攻撃回数が増えたり、「攻撃速度アップ」「スタン」といった特殊効果が付く場合もあります。
このゲームの火力を上げる主な手段は武器の強化になるので、積極的に強化していくのが吉。
さらに面白いのが、武器ごとに設定されている「ウェポンストーリー」というもの。
これは各武器にまつわる物語(裏設定)で、レベルが上がるごとにウェポンストーリーがドンドン解放されていきます。
『ニーアオートマタ』の世界観をより深くさせるのに一役買ってくれる、面白い試みです。
本作は支援兵器「ポッド」の改造も可能。最大で3つまでポッドを持つことができ、各ポッドに異なる「ポッド・プログラム」を持たせることができます。
先にも説明しましたが、戦闘を支援してくれるポッド・プログラムは「レーザー」「ハンマー」「ブレード」などの攻撃型から、「シールド」「デコイ」「スキャナー」などの支援型とさまざま。
どれも個性的な能力を持っているので、ポッドのカスタマイズを考えるのも楽しいです。
また本作には「プラグインチップ」と呼ばれる、いわゆるスキルシステムも存在します。
チップの種類は純粋に攻撃力が上がる「近接武器攻撃力UP」や「クリティカルUP」といったものから、攻撃に衝撃波を発生させる「衝撃波」、ジャスト回避を成功させると一定時間敵がスローモーションになる「オーバークロック」など、戦闘を面白くさせてくれるものがたくさん存在。
チップにはそれぞれコストが決まっていて、「合計で〇〇まで装備可能」という上限があるので、あれこれ悩みながらのチップ選択が必要となります。
プラグインチップのカスタマイズセットもいくつか作成することができ、状況に応じての切り替えが可能なので、「探索時はこのセット、戦闘時はこのセット」といった感じで切り替えながら遊ぶことができるのもいい。
同じ名前のチップ同士は合成することで能力がアップするので、そういった育成要素も本作の醍醐味でしょう。
マルチエンディングや豊富なサブクエストなど、やりこみ要素も十分!
プラチナゲームズのタイトルではおなじみのようですが、本作『ニーアオートマタ』もマルチエンディングとなっています。
具体的なエンディングの種類は伏せますが、いわゆるバッドエンドも含めると10以上のエンディングが存在。
プレイヤーの選択によって思わぬところでシナリオが終わったりすることもあるので、緊張感のあるプレイングが楽しめます(僕も意図せずバッドエンドに陥ったことが何度か・・・)。
2週目、3週目でないと見れないエンディングルートもあるので、何度もプレイする面白味があるのも本作の良いところ。
また最近のゲームでは定番となっていますが、豊富に用意されたサブクエストも面白いです。
クスっとさせるシナリオだったり、すこし泣かせるものだったり。
サブクエストといえどもちゃんとしたストーリーがそこには存在するので、遊んでいても"ただのおつかいゲー"にはなりません。
多数のやり込み要素が詰め込まれているのも、本作の魅力といえます。
2週目、3週目に入るとまったく違ったシナリオが展開されるので、二度三度おいしい!
ネタバレしちゃうとこれからプレイする人の邪魔になるので詳細は伏せますが、本作は2週目、3週目に入ると1週目とは違ったシナリオで遊ぶことができます。
シナリオが違うどころか操作キャラも変わるので、それまでとはまったく違ったプレイングが楽しめる。
正直いうと、本作の1週あたりのプレイ時間はそれほど長くありません。僕も実際に1週目をクリアしたとき、「あれ、これで終わり?ちょっとボリューム不足だなぁ」なんて思ったりしてました。
しかし2週目に入ると評価が一変。冒頭からいきなり1週目とは違う展開が用意されていたので、度肝を抜かれました。
1週目と2週目、3週目はほぼ別ゲームといっても過言はないでしょう。
こういう周回プレイ必須のゲームってマンネリや作業感を感じたりすることが多いのですが、『ニーアオートマタ』はまったくそんなことがありませんでした。
周回することでここまでシナリオが変わるゲームもそうはないので、なかなか新鮮な体験ができたなと。
まとめ
初ニーアだったので最初はかなり不安でしたが、ふたを開けてみればかなり楽しく遊べていますね。
「アクションゲームとしての難易度は若干高めかな?」とも思いますが、前作未プレイの人にもおすすめできるタイトルだと思います。
関連記事
・【PS4】おすすめの名作ゲームソフトをまとめて紹介!【プレステ4】
・『仁王』の評価/レビュー!戦闘システムが奥深い和風アクションRPG!
・『バイオハザード7』の評価/レビュー!原点回帰の良作ホラーゲーム!
・『グラビティデイズ2』の評価/レビュー!マップ、シナリオ、戦闘、すべてが前作以上の大ボリューム!